用語集
仮想ルーターとは
ルーターとは、異なるネットワーク間でデータ(パケット)を経路制御(ルーティング)するためのネットワーク機器です。家庭内のLANからインターネットに接続する際にブロードバンドルーターを設置するように、ネットワークの出口にあたる部分には、ほかのネットワークとの接続口になるルーターが存在しているのが一般的です。
サーバーの仮想化技術を使い、さまざまな構成のシステムを柔軟に構築できるのがクラウドの魅力の1つです。クラウド環境では、ネットワークもオンデマンドに構築することが可能です。代表的なものの1つに「仮想ルーター」があります。
仮想ルーターとは
従来のルーターはネットワーク機器(ハードウェア)であることが一般的でしたが、仮想ルーターはソフトウェアによって実現された仮想的なルーターです。仮想ルーターは、Webサーバーやデータベースサーバーなどと同様にルーティングのためのソフトウェアをサーバー上にインストールして構築します。仮想ルーターの実体は、パケットのルーティング機能を持ったサーバーなのです。
仮想ルーターのメリットは、なんといっても物理的なハードウェアの構成に縛られないという点です。そのため、クラウド上に柔軟な構成のネットワークを速やかに構築できますし、月額料金で利用できるので柔軟に増減することもできます。
仮想ルーターには、オープンソースの「VyOS」やJuniper Networksの「vMX」、ヤマハ社の「vRX」などさまざまな製品があります。FJcloud-V(旧ニフクラ)でインターネットVPNを構築するサービスの「拠点間VPNゲートウェイ」も仮想ルーターの一種です。
仮想ルーターの利用用途はハイブリッドクラウド
仮想ルーターはハードウェアのルーターと同じく、パケットのルーティング用途に利用するものです。前述の通り一般的なネットワークでは、ほかのネットワークとの接続部分にルーターが設置されていました。しかし、クラウドではわざわざユーザー自身で仮想ルーターを用意しなくても、仮想サーバーはインターネットに接続できますし、複数の仮想サーバー同士の通信も可能です。これだけ見ると、通常の利用においてクラウドで仮想ルーターを利用する意味はないように思えます。
クラウドに仮想ルーターを導入する理由としては、グローバルIPアドレスをプライベートIPアドレスにまたはその逆の変換を行う「NAT(Network Address Port Translation)」が一般的ですが、クラウドとオンプレミスを「L2延伸」で接続したい場合にも利用されます。L2延伸とは、複数の異なるネットワークを1つのL2のネットワークのように見せかける技術でオンプレミスとクラウドで全く同じIPアドレス帯が利用でき、オンプレミスとクラウドを接続して「ハイブリッドクラウド」を構築する際によく活用されています。この際、クラウド側の接続口としての役割を担うのが仮想ルーターなのです。
前述の「拠点間VPNゲートウェイ」は、まさにそうした用途のために用意されているサービスです。拠点間VPNゲートウェイを利用すると、FJcloud-V(旧ニフクラ)を社内ネットワークの延長線上にあるシステムとして扱うことが可能です。
FJcloud-V(旧ニフクラ)なら低価格かつ簡単に導入可能
クラウド上に仮想ルーターを構築するのであれば、まず仮想サーバーを用意した上でユーザー自身がルーティングソフトウェアをサーバーにインストールする必要があります。しかし、FJcloud-V(旧ニフクラ)の「拠点間NPNゲートウェイ」であれば、FJcloud-V(旧ニフクラ)のサービスとして提供されているため、サーバーの用意やソフトのインストールが不要な上、運用・メンテナンスもFJcloud-V(旧ニフクラ)に任せることができます。また、ハードウェア故障時に自動でフェイルオーバーする「HA機能」も備えており、「SLA」で月間99.95%以上の稼働率も保証しています。
オンプレミスとクラウドでハイブリッドクラウドを構築する際には、低価格で簡単に導入可能なFJcloud-V(旧ニフクラ)の「拠点間VPNゲートウェイ」をぜひご利用ください。