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用語集

プロビジョニングとは

2022年4月27日

「プロビジョン(Provision)」とは、「準備」「提供」「対策」といった意味を持つ英単語です。「プロビジョニング(Provisioning)」はその現在分詞で、「必要なものを準備すること」を指します。そこから転じてIT分野では、システムやサービスの需要に応じて、サーバーやネットワークなどのITインフラ設備を調達・設定することを「プロビジョニング」と呼んでいます。

本記事ではプロビジョニングの概要や、クラウドとの関係性について解説します。

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プロビジョニングとは

元来プロビジョニングとは、通信事業者が申込に応じて回線を提供することを指す言葉として用いられていました。しかし現在では、インターネット回線の提供や、ユーザーアカウント発行や権限付与なども含む、非常に幅広いシーンで使われる言葉となっています。そのため、単にプロビジョニングとだけ言った場合、その示す範囲が非常に多岐に渡ります。そこで、特定のプロビジョニング作業であることを明確にするため、「○○プロビジョニング」といった言葉も生まれました。例えば、ユーザーのアカウント発行・管理などを指す「ユーザープロビジョニング」、ユーザーにインターネット接続サービスなどを提供することを指す「サービスプロビジョニング」、サーバーの提供や運用保守などを指す「サーバープロビジョニング」などが一般的によく使われています。

本記事ではこれらの中でも、特にクラウドとの関係が深い「サーバープロビジョニング」に焦点を当てて解説します。

サーバープロビジョニングとは

サーバープロビジョニングとは、システムやサービスの需要に応じてサーバーを利用可能な状態にする、プロビジョニング作業の一種です。「サーバーを利用可能な状態にする」というのは、単にサーバーのみを調達すればよいというわけではありません。サーバープロビジョニングにはそれ以外にも、ネットワークの敷設、ストレージへの接続、OSやソフトウェアの導入・設定といった、さまざまな作業工程が含まれています。

また、障害や災害などの不測の事態に備えて予備のサーバーを準備しておくことや、障害が発生した際の復旧作業、利用中のサーバーの割り当てを変更することなども、サーバープロビジョニングに含まれる作業です。言いかえれば、ITインフラの構築・運用において必要な作業の多くは、つまるところサーバープロビジョニングの一環であるとも言えるでしょう。

クラウドやIaCでサーバープロビジョニングを効率化

サーバープロビジョニングを行うには、まずシステムやサービスの需要をあらかじめ想定しておくこと(サイジング)が肝心です。そして、その需要を満たすだけのスペックを持つサーバーや、容量を持つストレージを調達・準備しておく必要があります。特にオンプレミス環境であれば、サーバーやネットワーク、ストレージなどの準備・設定を行うには、それに先立って対象となるハードウェアの購入から始めなくてはなりません。

システムを運用していると、サービスの規模が拡大したり、急激にアクセスが増加したりすることで、想定を上回るスペック・容量が必要になる場合があります。障害や災害によって、ハードウェアが使用不能になる場合も考えられるでしょう。いずれの場合でも、まず追加・補充用のハードウェアを購入し、それらの到着を待たねばなりません。また、ハードウェアが到着しても、そこから物理的な配置(ラッキング)や配線(ケーブリング)を行い、その後にOSやソフトウェアの各種設定作業が必要となります。そのため、オンプレミス環境へのプロビジョニングの完了には、数日から数週間という単位で時間がかかってしまうでしょう。もちろん、あらかじめ予備のハードウェアを購入しておくことで、調達にかかる時間を短縮することもできます。しかし、平時から予備のハードウェアを確保することは、コスト面で大きな負担となってしまいます。

対してクラウドであれば、自社でハードウェアを購入する必要はなく、オンデマンドでサーバーなどのリソースを調達することができます。リソースが追加で必要になった場合も、サーバー台数の追加やスペックの変更(スケールアップ・スケールアウト)が柔軟に可能なため、プロビジョニングにかかるリードタイムを短縮できるのです。

クラウドを使うメリットは、単にサーバープロビジョニングにかかる時間を短縮できるだけではありません。柔軟なスケールが可能というクラウドの特性を活かし、あらかじめ設定した閾値を超える負荷がかかった際に、自動的にサーバーの台数を追加・削除すること(オートスケール)も可能です。加えて、プロビジョニングの際に必要となる各種設定といった煩雑な作業も、IaC(Infrastructure as Code)によって自動化できます。さらに、自社でサーバーという資産を持つ必要がないため、資産管理や減価償却といった、運用にかかるコストを最適化できるという、副次的な効果もあります。

こうしたクラウドのメリットについては、「クラウドとは~今さら聞けない基本を徹底解説~」もあわせてご参照ください。

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