用語集
ストレージ(HDD/SSD)とは
「ITインフラ」を構成する要素の1つに、ストレージがあります。本記事では、ストレージの概要や役割、HDD/SSDそれぞれのメリット/デメリットを解説します。
ITインフラにおけるストレージの概要
ストレージとは、データを保存する場所(補助記憶装置)全般を指す用語です。例えば、PCに搭載されているHDDやスマートフォンの内蔵フラッシュメモリなどは、ストレージの一種です。2020年現在、広く利用されているサーバーやPC向けのストレージには、磁気ディスクを利用したハードディスクドライブ(HDD)と半導体素子を利用したソリッドステートドライブ(SSD)の2種類があります。
HDDとは
サーバーやPC向けのストレージとして、最も一般的に利用されているのがHDDです。HDDにおいてデータを記録しているのは、磁気を帯びた円盤です。HDDはこの円盤を回転させ、その上で読み取り用のヘッドを動かすことで記録されたデータをサーチし、読み書きを行っています。
HDDの主なメリットとして、以下のような点が挙げられます。
- 後述するSSDに比べて容量あたりの単価が安い
- 半導体素子よりも高い書き換え耐性を持っている
- 記録に磁気を利用するためデータの長期保存に向く
対してデメリットには、以下のような点が挙げられます。
- データが記録されている位置まで物理的にディスクやヘッドを動作させなければならないことから、ランダムアクセスが遅くなる
- 振動やほこり、熱に弱い
動作時に音がする
HDDは容量あたりの単価が安く汎用的なストレージのため、個人向けのPCから業務用途のサーバーまで幅広い用途で利用されています。特にテラバイト以上の大容量の記憶領域を安価に確保しようとすると、実際問題としてHDDがほぼ唯一の選択肢となるため、特に大規模なデータを扱うサーバーにおいては、現在でもHDDが主流となっています。
SSDとは
SSDとは、データの記録に不揮発性メモリ(電源を切ってもデータが保持されるメモリ)を用いたストレージです。半導体素子に電気的にデータを記録するため、磁気ディスクを物理的に動かしていたHDDとは大きく異なる特性を持っています。とはいえ、OSからはHDDと同じように利用できるため、ユーザーやアプリケーションが物理的な記録媒体の違いを意識する必要はありません。
SSDの主なメリットとして、以下のような点が挙げられます。
- 物理的に動作する部品がないため、ランダムアクセスがHDDよりも高速
- HDDよりも衝撃や振動に強い
HDDよりも小型化できるため、省スペース化が可能
対してデメリットには、以下のような点が挙げられます。
- HDDよりも容量単価が高くなってしまう
- 半導体素子を利用しているため、書き換えに対する耐性が低い
- 電気的にデータを記録するため、磁気を利用したHDDよりもデータの寿命が短くなってしまう
一般的にSSDはHDDに比べて高価ですが、高速にデータの読み書きが可能なストレージです。そのため、主に高いI/O性能を要求される用途で利用されています。高頻度でデータの更新が行われるデータベースサーバーなどで、HDDに代わってSSDが利用されるケースが増えています。また、SSDの価格低下と大容量化により、個人向けのPCにおいて、HDDの代わりにSSDが搭載されるケースも一般的になってきています。
まとめ
ストレージとは補助記憶装置全般を指す用語のため、具体的な特定の装置を表しているわけではありません。一口にストレージと言っても、その実体にはさまざまな記録媒体が存在します。PCやサーバーの分野において、代表的なストレージはHDDとSSDですが、それぞれ特性やコストが異なるため、利用する場所に応じて適切なストレージを選択するとよいでしょう。例えば、OSやアプリケーションをインストールしたり、データベースを保存したりするストレージには高速なSSDを利用し、大容量のデータを保存するストレージにはHDDを利用するなど、組み合わせて利用するのも効果的です。
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