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【まとめ】オンプレミスからクラウドに移行すると「可用性」はどう変わる?

0000年00月00日
【まとめ】オンプレミスからクラウドに移行すると「可用性」はどう変わる?

本記事は、「可用性」をテーマにクラウドとオンプレミスでの考え方の違いやどのように可用性を考慮したシステムをクラウドで構築するかなど、可用性関連の記事をまとめたものです。

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可用性とは

まず、可用性の定義を改めて確認しておきましょう。「可用性(availability)」とは、情報セキュリティの3要素である、Confidentiality(機密性)・Integrity(保全性)・Availability(可用性)のうちの1つでシステムが停止せずに動き続ける能力のことです。可用性は、一般的に「稼働率」という数値で表され、可用性が高められた状態は、高可用性(HA:High Availability)と呼ばれます。
システムの要件によって、求められる可用性は異なります。例えば、全社員が利用する基幹システムのような業務上クリティカルなシステムでは、高い可用性が求められます。しかし、利用するユーザーが少ない小規模な社内システムなどでは、それほど高い可用性は求められません。可用性は高めれば高めるほど大きなコストがかかるため、事前にどの程度までの停止時間を許容するかをかかるコストを踏まえて、設計することが重要です。
また、万が一、災害やパンデミックなどの緊急事態が発生し、システムが壊滅的な状況になった際に損害が最小限で済むように備えること、または速やかに復旧ができるように対策をすることを「DR(Disaster Recovery(ディザスタリカバリ))」と呼び、可用性とあわせて考慮されます。

可用性の基本は「冗長化」

オンプレミスはもちろん、クラウドであってもデータセンターにはハードウェアが存在する以上、故障は避けることはできません。そこで、故障が起こらないようにするのではなく、故障は発生するという前提で故障時にもサービス全体に影響しないようにシステムを設計することが可用性を向上させる基本です。そのためには、止まってしまうとサービスが利用できなくなる「単一障害点(Single Point Of Failure(SPoF))」を無くす、あるいは少なくすることが重要です。
単一障害点を無くすための手段として、用いられるのが「冗長化」です。冗長化とは、本番稼働しているシステムと同じ構成で予備のシステムをあらかじめ複数用意しておき、障害発生時には待機している予備のシステムに切り替えて運用を継続することです。

クラウドでの可用性の考え方

システムを冗長化して障害に備えるという対策自体は、オンプレミスでもクラウドでも変わりありません。しかし、オンプレミスとクラウドでは、可用性に対する考え方が一部異なります。
オンプレミスでは、ハードウェア~アプリケーションまでのすべてのレイヤーでユーザー側で対策を取ることが必要ですが、クラウドではクラウドベンダーとユーザーの間に「責任分界点」が定められ、それに応じてクラウドベンダーとユーザーがそれぞれ対策を取ることになります。例えば、IaaSであれば、サーバーなどのハードウェアやネットワークといった物理基盤における責任は、クラウドベンダーが負うことになっています。

クラウドで可用性を向上させるためには

クラウドベンダーでは、サーバー・ディスク・ネットワークといったインフラの構成要素を冗長化したり、障害を起こしたサーバーを自動的に切り替える「自動フェイルオーバー(HA機能)」を実装したりなど、可用性を高くするためのさまざまな対策を行っています。
しかし、エンタープライズの基幹システムのように非常に高い可用性を要求されるシステムも存在します。こうしたシステムでは、自動フェイルオーバー中のわずかな停止時間すらも許容できない場合があります。そのため、クラウドベンダーが定義している「SLA(サービス品質保証)」以上のレベルが要求されるシステムでは、ユーザー側でさらなる可用性向上対策を実施することが必要になってきます。
ユーザーが行える工夫の1つとして、クラウドベンダーが提供する機能・サービスを利用して、可用性を考慮したシステムを構築する方法があります。例として、FJcloud-V(旧ニフクラ)で提供している機能・サービスを利用した可用性向上デザインパターンをご紹介します。

クラウドの可用性をもっと詳しく知りたい方へ

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