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【パートナーブログ】DDoS攻撃とは? DDoS攻撃の目的とは?

0000年00月00日

※本内容は株式会社セキュアスカイ・テクノロジーよりご寄稿いただいた記事となります。

DDoS攻撃は、複数のコンピュータから一斉に通信を送り、標的のサーバやネットワークを過負荷にして機能停止に追い込む攻撃手法です。深刻な被害をもたらすDDoS攻撃の仕組みや目的、代表的な手法、被害例、そして有効な対策について紹介します。

DDoS攻撃とは?

DDoS攻撃とは、悪意ある複数のソースからのトラフィックでサービスやネットワークを過負荷にさせ、正当なユーザーのアクセスを妨げサービス停止に追い込む攻撃手法です。

攻撃者は、通常ボットネットと呼ばれる大量の感染したコンピュータやデバイスを利用して、同時に多数のリクエストを送信します。これにより、対象のサーバやネットワークは通常のトラフィック以上の負荷を受け、正常なサービス提供が不可能になります。

近年はPCのみならず、IoT機器を使用した大規模なボットネットが構築され、DDoS攻撃に利用されています。2016年には「Mirai」と呼ばれるマルウェアに感染したIoT機器によって構築されたボットネットからの大規模なDDoS攻撃の被害も観測されています。​​​​​​​​​​​​​​​​

DDoS攻撃の目的

攻撃者がDDoS攻撃を行う主な目的は、特定の組織やサービスを混乱させ、ダウンタイムを引き起こし、結果として損害を与えることです。 動機の背後にはさまざまな要因があります。

社会的動機

攻撃者が特定の組織に対して不満や抗議の意図を持っている場合、DDoS攻撃を仕掛けることがあります。

政治的動機

攻撃者が政治的な理由から特定の組織や国に対して敵対的な行動をとる場合、DDoS攻撃がその手段として利用されることがあります。

金銭的利益のため

攻撃者が特定の組織から金銭を要求したり、あるいは脅迫のためにDDoS攻撃を行うことがあります。これにより、被害者は攻撃を止めさせるために要求に応じざるを得ない状況に追い込まれることがあります。

技術的な挑戦や実験

一部の攻撃者は、単なる試みとしてDDoS攻撃を行うことがあります。これはサイバー犯罪者やハッカーグループが非合法な手段で技術的なスキルを試す場合も含まれます。
このような動機に基づくDDoS攻撃は、結果として被害者に深刻な経済的損失や信頼性の低下をもたらし、対策が求められます。

DDoS攻撃の手法

DDoS攻撃の手法は多岐にわたり、代表的なものには、UDPフラッド、TCPフラッド、ICMPフラッド、SYN/ACKフラッド、HTTPフラッドなどがあります。これらはそれぞれ異なるプロトコルを標的とし、攻撃の特性が異なります。

UDPフラッド攻撃

大量のUDPパケットをターゲットに送信し、リソースを消費させ枯渇させることを目的とします。 生成された大量のパケットによって、ターゲットのシステムが正常なトラフィックを処理できなくなることを狙います。

TCPフラッド攻撃

多数のTCP接続要求を行い、サーバのリソースを枯渇させることを目的とします。 サーバの接続を飽和させ、正規の接続の確立を妨げます。

ICMPフラッド攻撃

大量のICMP(Internet Control Message Protocol)エコーリクエストを送信して、システムの処理能力を超えるようなパケットを送り込み、ターゲットのネットワークリソースを枯渇させることを目的とします。

SYN/ACKフラッド攻撃

偽の大量のSYNまたはACKリクエストでサーバのリソースを消費させます。 サーバがリソースを割り当てる半開状態の接続を大量に作り出すことでサービスを遅延させたり利用不可に追い込みます。

HTTPフラッド攻撃

大量のHTTPリクエストを送信し、ウェブサーバがリクエストに対応できなくなります。 ウェブサーバの過負荷やサービスの遮断が発生し、サービス提供が困難になります。
これらの攻撃は、一般的なDDoS攻撃の一部にすぎず、攻撃手法は常に進化しているため、ネットワークやサーバの保護には適切なDDoS攻撃対策が必要です。

DDoS攻撃の影響

DDoS攻撃の影響は多岐にわたり、一時的なサービスの遅延やサービスの停止、正規のユーザーのアクセス不可など、サービス提供に深刻な問題を引き起こします。

攻撃者はサービスの可用性を低下させ、結果として被害者に損害をもたらします。2020年以降、DDoS攻撃はますます複雑化し、ターゲットも多様化しています。

政府機関や重要インフラなどを標的としたDDoS攻撃だけではなく、一般的な企業も標的にされることがあり、警察庁や内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)からも注意喚起が出ています。 また、サービスを妨害するだけではなく、DDoS攻撃を行うと脅して金銭を要求するタイプの事件も発生しています。

DDoS攻撃対策の重要性

DDoS対策は現代のサイバーセキュリティ対策において極めて重要です。攻撃が成功してしまうと、被害者は顧客ロイヤルティの喪失や財務的損失など、様々な影響を受ける可能性があります。

可用性の確保

DDoS攻撃によりサービスが一時的または永続的に停止すると、顧客や利害関係者との信頼が損なわれます。

経済的損失の回避

サービス停止や復旧に伴う経済的損失を回避するためには、事前に適切なDDoS攻撃対策を講じることが不可欠です。

ブランドイメージの保護

サービス停止やデータ漏洩などの被害は、企業のブランドイメージに深刻な影響を与える可能性があります。

法的および規制上のコンプライアンス

特定の業界や地域では、セキュリティに関する法的な要件が存在します。DDoS攻撃対策はこれらの要件に適合し、コンプライアンスを確保します。

進化する脅威への対応

DDoS攻撃を行う攻撃者は他のサイバー攻撃者と連携し、組織化されています。 これらの理由から、組織は継続的なリスク評価と対策の実施を通じてDDoS攻撃に対する堅牢なセキュリティ体制を築く必要があります。

DDoS攻撃の対策方法

DDoS攻撃は、多数のコンピュータなどから分散して攻撃が行われるため、攻撃としての判定が難しく対策も専門的な知見を必要とします。 DDoS攻撃に対する対策方法は多岐にわたりますが、主要な方法は以下の通りです。

ネットワークインフラの強化

適切なファイアウォールやロードバランサーを導入し、トラフィックの制御とフィルタリングを行います。

トラフィックの監視と解析

常にネットワークシステムを監視し、攻撃トラフィックを早期に検知することが重要です。 適切なリスク管理と事前準備により攻撃に備える必要があります。

DDoS攻撃対策サービスの利用

クラウドベースのDDoS攻撃対策サービスを利用することで、攻撃トラフィックをクラウド上でフィルタリングし、正常なトラフィックのみをサーバーに転送します。サーバーへの負荷を軽減し、サービスの可用性を確保することが可能です。​​​​​​​​​​​​​​​​

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