FJcloud実践
L2TPv3/IPsec(L2VPN)で東西リージョンのプライベートLANを接続する
この記事は、ニフクラブログで2015-06-26に公開された記事を移転したものです。
こんにちは。まほろば工房の浅間です。前回に引き続き今回も東西リージョンのプライベート LAN を VPN で接続するネタです。前回は IPsec VPN(L3 VPN) で接続しましたが、今回は L2TPv3/IPsec(L2VPN) でつないでみます。
絵にするとこんな感じです。
東西リージョンのプライベート LAN を直接スイッチングハブでつないだようなイメージです。
前回と同様、 VPN ゲートウェイのグローバル IP アドレスは作ってみないとわからないので東日本リージョンのコンパネと西日本リージョンのコンパネを行ったり来たりします。混乱しないようにご注意ください。
まずは東日本リージョンの設定です。
目次
東日本リージョンの VPN ゲートウェイの設定
プライベート LAN を作成します。
VPN ゲートウェイを作成します。
ファイアウォールを作成しますが、西日本リージョンの VPN ゲートウェイのグローバル IP アドレスが現時点では不明なのでとりあえずプライベート LAN の IP アドレス帯である 192.168.1.0/24 を許可するルールのみで作成します。
VPN ゲートウェイの作成が完了したら VPN ゲートウェイの左側のチェックボックスをクリックし、下に表示される “ネットワーク” タブをクリックし VPN ゲートウェイのグローバル IP アドレスを控えておきます。
続いて西日本リージョンでもプライベート LAN と VPN ゲートウェイを作成しましょう。コンパネを西日本リージョンに切り替えます。
西日本リージョンの VPN ゲートウェイの設定
プライベート LAN を作成します。
VPN ゲートウェイを作成します。
ファイアウォールを作成します。控えておいた東日本リージョンの VPN ゲートウェイのグローバル IP アドレスとプライベート LAN の IP アドレス帯を許可するよう設定します。
VPN ゲートウェイが作成されたら割り当てられたグローバル IP アドレスを控えます。
再びコンパネを東日本リージョンに切り替えます。
東日本リージョンの VPN ゲートウェイの設定(再)
西日本リージョンの VPN ゲートウェイのグローバル IP アドレスがわかったのでファイアウォールのルールにそのアドレスからの接続を許可するよう追加します。
VPN コネクションを作成します。
“接続方式” は L2TPv3/IPsecを選択し、 “対向機器 IP アドレス” には西日本リージョンの VPN ゲートウェイのグローバル IP アドレスを入力します。
事前共有鍵は今回も手動で設定してみます。
入力が完了したら “トンネル設定へ” をクリックします。
“モード” は Unmanaged を選択し、 “カプセル化方式” は IP を選択します。
トンネル ID とセッション ID には適当な数字(ただし VPN ゲートウェイ側のトンネル ID とセッション ID は重複できません)を入力するのですが、注意点としては対向機器(今回の例では反対側の VPN ゲートウェイ)と数字が入れ替わるような感じで設定する必要があります。例えば東日本リージョンの VPN ゲートウェイ側で以下のような設定をした場合、
VPN ゲートウェイ | 対向機器 | |
---|---|---|
トンネル ID | 123 | 234 |
セッション ID | 345 | 456 |
西日本リージョンの VPN ゲートウェイは必ず以下のような設定にしなければなりません。
VPN ゲートウェイ | 対向機器 | |
---|---|---|
トンネル ID | 234 | 123 |
セッション ID | 456 | 345 |
今回はすべて 1 に設定しました。
あともうちょっとです。西日本リージョンの VPN ゲートウェイでも同じように VPN コネクションを作成するため、コンパネを西日本リージョンに切り替えます。
西日本リージョンの VPN ゲートウェイの設定(再)
VPN コネクションを作成します。内容は東日本と同じ感じです(対向機器 IP アドレスは置き換えてください)。
トンネル設定も東日本と同じ感じです。トンネル ID とセッション ID は東西で入れ替わるように設定します。
VPN コネクションの作成が完了し、接続が完了すると VPN コネクションの “コネクションステータス” が緑色のチェックマークに変わるはずです。
まとめ
今回は東西リージョンのFJcloud-V(旧ニフクラ)のプライベート LAN を L2TPv3/IPsec VPN(L2 VPN) で接続してみました。 IPsec VPN(L3 VPN) のときと同様、コンパネからの操作だけで簡単に接続できました。
IPsec VPN(L3 VPN) と違い L2TPv3/IPsec(L2 VPN) では東西のプライベート LAN をスイッチングハブで直接つないだような接続になります。そのため IPsec VPN(L3 VPN) では実現できない東西リージョンにまたいで VRRP 等を利用した冗長化構成なんかもできたりします。凄くないですか?個人的には結構「凄いなー」って感動しました。
さてさて、次回とその次ではFJcloud-V(旧ニフクラ)を Hub にした拠点間通信もできるような構成について考えてみます。お楽しみに。
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