基礎知識
サーバーOSとは?Windows系OSとUnix系OSの違いを解説
私たちが普段から利用しているPCやスマートフォンをはじめ、一般的なコンピューターはオペレーティングシステム(OS)によって制御・管理されています。
コンピューター用のOSは、用途に応じてさまざまな種類が存在します。PC向けのWindowsやmacOS、スマートフォン向けのAndroidやiOSなどは、皆さんもよくご存知なのではないでしょうか。
PCにPC向けのOSがインストールされているのと同様に、サーバーにはサーバー向けのOSがインストールされています。一口にサーバー向けのOSと言っても数多くの種類が存在しますが、その中でも世界中で広く利用されているのが、Windows系OSとUnix系OSです。
サーバーOSとは
コンピューターのOSのうち、特にサーバー向けに設計されているOSを「サーバーOS」と呼びます。
コンピューターを制御するという目的は同じでもPCとサーバーでは求められる機能が違います。例えば、PCでは1人のユーザーがPCを占有し、WebブラウザーやMicrosoft Officeといったソフトウェアを長時間動かし続けるという使い方をします。対してサーバーは、同時に多数のユーザー向けにネットワーク越しに安定してサービスを提供することを要求されます。これを実現するため、サーバーOSはデスクトップOSに比べ、高いネットワーク性能や安定性を重視して設計されています。
また、デスクトップOSは人間にとっての操作のしやすさや見た目の美しさを重視していますが、サーバーOSは常に人間が向きあって操作するわけではないため、GUIを持たないことも多いです。
Windows系OSとUnix系OSとの違い
インターネット上のサーバーで広く利用されているOSは、大きくWindows系OSとUnix系OS(Linuxを含む)の2系統に分けられます。具体的なWindows系OSの製品としては、Windows Server Standard EditionやWindows Server Datacenter Editionなどがあります。また、Unix系OSの製品としては、Red Hat Enterprise Linux、CentOS、Ubuntu、Solaris、FreeBSDなどが有名です。
Windows系OSは、PCで利用されているWindowsと同じくMicrosoft社の販売する商用のサーバーOSです。対して、Unix系OSは単一のベンダー製のOSを指すのではなく、AT&Tベル研で開発された初代Unixの流れを汲む数多くのOSの総称です。Linuxは、Unixとは異なるOSですが、広く「Unix系OS」の中に含まれます。このUnix系OSには、ベンダーが販売する商用のものから、無料で自由に使えるものまでさまざまです。
PC向けのOSとしてはWindows系OSが圧倒的なシェアを持っていますが、サーバー向けOSとしてはUnix系OSの方が大きなシェアを持っています。Unix系OSが選ばれる理由としては、Unix系OSがもともとネットワークへの接続に適したOSであり、昔からサーバーOSとして使われ続けてきた実績を持っているというのが大きな理由の1つです。インターネットで使用されているTCP/IPもUnix発祥のプロトコルです。また、Unix系OSはOSや周辺ツールの多くがフリーソフトウェアとして開発されてきたという歴史があります。歴史のあるツール群がソースコードごと公開されており、それらの多くは無料で自由に利用できます。
Unix系OSでは多くのフリーソフトウェアが動作しますが、逆にWindows系OSでしか動かないソフトウェアも世の中には多く存在します。特に業務用のアプリはWindows向けが多く、こうしたアプリを動かすためには当然Windows系OSが必要になります。たとえばC#製のアプリや、MicrosoftのSQLServerを必要とするものなどが該当します。また、社内ファイルサーバーなどディレクトリサービスを利用してデスクトップ版のWindowsと連携するような用途にもWindows系OSが適任でしょう。
現在では、Windows上でしか動かないアプリやほかのWindowsシステムとの連携が必要であればWindows系OS、それ以外ならUnix系OS(主にLinux)を選択するのが一般的となっています。
なお、Windows系OSとUnix系OSはまったく異なるOSのため、同じバイナリ(実行プログラム)を動かすことが基本的にできません。Windows用のプログラムとUnix用のプログラムをそれぞれ別に用意する必要がある点には、注意してください。