FJcloud実践
RDBのサーバータイプ「Type-e」の性能を検証
この記事は、ニフクラブログで2016-05-10に公開された記事を移転したものです。
こんにちは、FJcloud-V(旧ニフクラ) テクニカルアカウントエンジニアチームです。
2016年4月13日に、FJcloud-V(旧ニフクラ) RDBにて、新サーバータイプ「Type-e」の提供が開始されました。
FJcloud-V(旧ニフクラ)の通常のサーバー同様に、ご利用いただきやすい料金帯のRDBがリリースされたことで、利用しやすくはなりますが、データベースとしての性能は気になるところです。
※実際の料金などは、料金表をご覧いただければと思います。
本記事は、すでに提供されていたRDBの「Type-h」、今回リリースされた「Type-e」について、性能比較を行った結果をお伝えします。
目次
ベンチマークツールについて
ベンチマークを取得するにあたり、今回計測ツールとして「sysbench」を利用します。
sysbenchは、MySQLなどデータベースのトランザクション処理の測定が可能なツールです。計測対象となるRDBに対してデータを格納、アクセス元となるクライアントサーバーにsysbenchを導入、計測を実施します。
計測環境
計測対象
利用ゾーン | east-14 |
利用ディスク | 高速ディスク |
Type-h | db.small4 、db.medium8 、db.wlarge32 |
Type-e | db.e-small4、db.e-medium8、db.e-wlarge32 |
クライアント:sysbench実行サーバー
利用ゾーン | east-14 |
サーバータイプ | wlarge32(Type-h) |
※sysbench実行サーバーによる性能劣化を防ぐため、ハイスペックサーバーを利用
実施方法
- シングル構成
- 冗長化構成(データ優先)
データ準備/性能取得実施/データクリアを組み込んだシェルを実施
HOST=$1
OLTP_PARAMS="--test=oltp --oltp-table-size=40000000 --db-driver=mysql"
MYSQL_PARAMS="--mysql-user=mydbuser --mysql-password=password --mysql-host=$HOST"
sysbench $OLTP_PARAMS $MYSQL_PARAMS prepare
sysbench $OLTP_PARAMS $MYSQL_PARAMS --num-threads=16 --max-requests=0 --max-time=180 --init-rng=on --oltp-dist-type=uniform run 2>&1
sysbench $OLTP_PARAMS $MYSQL_PARAMS cleanup
計測結果
性能比較
1.シングル構成時
2.冗長化構成時
グラフの縦軸では、sysbenchにてOLTP処理(オンライントランザクション処理)を実施されたときに、180秒間で何トランザクションが実施されたかを確認できます。
コストパフォーマンス比較
1.シングル構成時
2.冗長化構成時
グラフの縦軸は「総トランザクション数/費用」を表しており、コストパフォーマンスを確認できます。
結果では、Type-eはType-hに比べ、最大で2/5程度の性能差がありますが、高スペックのサーバーでは、ほぼ同一の性能となっています。
参考:料金
サーバータイプ | 月額 |
---|---|
db.e-small4 | 13,500円 |
db.small4 | 29,000円 |
db.e-medium8 | 29,900円 |
db.medium8 | 55,200円 |
db.e-wlarge32 | 98,000円 |
db.wlarge32 | 209,600円 |
※2016年5月時点
総評
今回の結果では、スペックが低い場合、Type-hの方が性能およびコストパフォーマンスに優れており、スペックが高いほどType-hとType-eの間で性能差が少なくなり、Type-eの方がコストパフォーマンスに優れていると言えます。
例えば、smallやmediumまではType-hを使い、large以上のRDBを使いたい場合Type-eを選ぶと、費用対効果は高そうです。
さいごに
今回のベンチマークでは、OLTP処理を測定するため、sysbenchによる性能取得を実施しました。
ベンチマーク結果は参考値であり、お客様のアプリケーションの動作を保証するものではございません。 「Type-e」と「Type-h」は自由にプラン変更が可能ですので、Type-eで試してからType-hに変更することや、Type-hでスタートして余裕がありそうならType-eに変更するなど、ぜひ色々な構成を試していただき、最適なスペックを見つけていただければと思います。
注:FJcloud-V(旧ニフクラ)では、CPU型番などの情報を公開していません。計測したゾーンやサーバーよって、結果は異なる場合があります。
注:本計測は、あくまで筆者の環境を使った計測時点での値であり、計測環境・計測時間によって異なる場合あります。参考程度に留めてください。